更新日 2025年02月26日
令和7年2月26日
本日ここに、令和7年第2回知多市議会定例会を、招集申し上げましたところ、議員各位にはご多忙の中、ご参集を賜り、厚くお礼申し上げます。本定例会にご提案申し上げます、令和7年度当初予算案を始めとする諸議案の説明に先立ち、所信の一端を申し述べ、市議会及び市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
この1年間を振り返ってみますと、令和6年元日に石川県能登地方を震源とする、最大震度7の能登半島地震が発生しました。甚大な建物被害や道路の損壊が発生し、多くの方が犠牲になられました。また、8月には南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が初めて発表されました。大災害はいつ発生してもおかしくないと改めて気を引き締めた次第です。本市においては、大きな被害は出ておりませんが、大地震などの自然災害から市民の生命と財産を守ることは、行政に課された使命であります。今後も、強靭なまちづくりを進め、災害に対する備えに万全を期してまいります。
一方、明るい話題では、パリオリンピックで、日本人選手が大活躍し、海外で開催されたオリンピックでは、史上最多の45個のメダルを獲得しました。また、アメリカ大リーグでは、大谷翔平選手が大リーグ史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成し、ナショナル・リーグの最優秀選手にも選出されるなど、日本中に感動と勇気を与えてくれました。選手たちの競技に取り組むひたむきな姿勢に感銘を受けるとともに、改めてスポーツの力の素晴らしさを実感した年でもありました。
このように1年を振り返りましたが、私が市民の皆さんからご支持をいただき、令和3年10月に3期目の市政運営を担わせていただいてから、早いもので3年余りの歳月が流れました。3期目に当たり、「明るく元気なまちをめざして」を合言葉に、市政の舵取りに全身全霊を傾けてまいりました。この間、議員の皆さん、市民の皆さんから多大なご協力と温かいご指導、ご助言をいただきましたことに深く感謝申し上げます。
本日、7年度に向けた所信を表明するに当たりまして、市長として3期目の最終年を迎えている中、これまでの3年余りを振り返り、皆さんにお約束しました「住んで良かったと言ってもらえるまちづくり」についての実績と課題、今後の方針等をお伝えさせていただきます。
まずはじめに、私の1丁目1番地の政策であります、朝倉駅周辺整備事業です。
現在、中街区を先行して整備を進めており、一昨年、駅前ロータリーの利用を開始し、交通結節機能を整備しました。
また、昨年12月には、ビジネスホテルの誘致を実現し、本市の玄関口となるエリアの整備を着実に進めています。
新庁舎整備におきましても、新庁舎基本設計を基に、実施設計が完了し令和7年度から建設工事が始まります。市民や来訪者を優しく温かく迎え、新たな交流を育む庁舎にしてまいります。
私は3期目をジャンプととらえ、「いいね 知多市!! 明るく元気なまちをめざして!」、6つの基本政策を掲げました。
1つ目は、「新型コロナウイルス感染症に対応する体制づくり」です。
新型コロナの発生以降、市民の命や暮らしを守るため、私も陣頭指揮を執って感染症対策を実行するとともに、市民への情報発信に努めてまいりました。3年余り続いてきた新型コロナとの戦いは令和5年度に一応の収束を迎え、改めて、これまで感染拡大防止のためにご尽力いただきました医療従事者の方をはじめ全ての皆さんに、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
2つ目は、「誰ひとり取り残さない社会づくり(SDGs達成に向けて)」です。
全ての市民が安心して暮らせる社会をつくるために全力を尽くしてまいりました。
市民の健康を守るため、西知多クリーンセンターで発生するエネルギーを活用した温水プールやトレーニングジム、スタジオを有する健康増進施設「アクアマリンプラザ」が、令和6年4月にオープンしました。屋内型の温水プールのため、季節や天候に左右されず、一年中、幅広い世代の方の健康増進、子どもの水泳教育など多目的に利用されています。
また、子どもの健全な成長を支援するため、6年度に「こども家庭センター」を設置し、児童福祉と母子保健との連携を更に深めるとともに、増加する児童虐待への対応を強化しました。
待機児童解消のため、保育ニーズの高い0歳児から2歳児までの入所枠を確保しました。また、公立保育園の民営化を進め、多様化する保育ニーズや効率的な行政運営を推進し、地域全体の保育環境の向上に努めてまいりました。今後とも誰もが安心して子育てできるまちづくりを進めてまいります。
性の多様性を尊重し、全ての人が生きやすい社会の実現を目指し、5年10月から「パートナーシップ宣誓制度」を、6年8月からは、制度対象を更に拡充した「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」を開始しました。多様な価値観が尊重され、誰もが安心して暮らせる社会を実現してまいります。
3つ目は、「次世代を担う子どもたちを育む教育環境づくり」です。
地域と学校が連携・協働し教育を行う体制を整えるため、令和4年度からコミュニティ・スクール、地域学校協働本部を設置し、現在は小学校3校と中学校1校に整備されました。
特別な支援が必要な児童生徒に対応するため、特別支援教育支援員を新たに配置するとともに、相談体制の強化を図るため、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを含めた専門家チームを充実させました。
学校施設の改修とICT化では、小中学校の普通教室に続き、特別教室や体育館への空調の整備を進めるとともに、GIGAスクール構想を推進するため、タブレット端末、デジタル教材等のICT機器を活用し、子どもたちの主体性を大切にした学びに取り組んでいます。また、アクアマリンプラザで学校水泳指導の委託化を行い、児童の泳力向上や教員の負担軽減、学校プールの維持管理費の削減に取り組みました。
行政、教育委員会、学校が一体となって、子どもたちが安心して学び、成長できる教育環境の整備に努めてまいります。
4つ目は、「産業振興と交流拠点整備によるにぎわいづくり」です。
地域経済の活性化と雇用の創出は、持続可能な発展に欠くことのできない施策です。
知多新南土地区画整理事業や知多大興寺(2期)地区工業用地において、企業誘致を積極的に進めたほか、知多信濃川東部土地区画整理事業を支援し、新たな優良住宅地と商業地の整備を進めてまいりました。
市民や観光客、企業が集まり、つながりを深める場を提供することは、地域の活性化や魅力の向上につながります。令和3年10月、愛知県フットボールセンター知多がオープンし、天然芝と人工芝のコートが各1面整備されました。4年4月には、オーシャンズフィールドがオープン。国際規格の屋内コート1面、屋外人工芝コート3面が整備され、知多市にサッカー、フットサルの拠点ができました。また、西知多道路金沢インターチェンジ(仮称)の広域交通の利便性を活かした新たな広域交流拠点づくりや、七曲公園周辺の水と緑の広域交流拠点づくりに向けて検討を進めています。
地域のつながりと活力を生み出し、市民一人ひとりが関わりを持てる場をつくり、誰もが暮らしやすい魅力的なまちを実現してまいります。
5つ目は、「未来につながる持続可能な環境都市づくり」です。
令和3年8月に「ゼロカーボンシティちた宣言」を発表しました。2050年までに二酸化炭素の排出量実質ゼロを実現するには、市民、企業、行政の協力が不可欠です。
住宅用の太陽光発電設備やEVなどの次世代自動車など個人向けの補助制度や中小企業向けの省エネ診断の補助制度を創設しました。さらに、「ゼロカーボン推進パートナー制度」を開始し、ゼロカーボンシティちたの実現に向けて取り組んでいただける事業者などを推進パートナーとして認定し、協働により取り組みを進めています。
また、循環型社会の実現に向けて、更なるごみの削減と資源の有効活用を目指し、ごみ収集場所でのプラスチック類の回収を開始しました。
さらに、公共施設における省エネを推進し、2030年までに公用車の電動車の割合を50パーセント以上にするとともに、新庁舎は「ZEB Ready」の認証を目指してまいります。
市民が安心して暮らせる持続可能な環境都市づくりは、地域全体で取り組むことが重要です。今後とも環境に配慮しつつ、市民の利便性や生活の質を向上させることを目指してまいります。
6つ目は、「安全・安心で暮らしやすいまちづくり」です。
市民の皆さんが、心から安心して暮らせる地域社会を実現するために、安全と安心は行政の重要な課題です。自然災害、犯罪といった課題に直面しながらも、市民の皆さんとともに、暮らしやすいまちを創造してまいりました。
災害に強いまちづくりとして、防災、地域安全対策では、災害時の被害軽減のため、地震と風水害のハザードマップを統合した防災マップを全戸配布に向け作成するとともに、防災力向上のため、防災行政無線を高性能スピーカーに改修しています。また、犯罪のないまちの実現に向けて、地域の安全・安心のため、主要交差点等に防犯カメラを設置するなど、地域の防犯体制の強化に努めてまいりました。
公共交通の利便性向上に向け、スマートフォン等でリアルタイムに運行状況などを確認できるバスロケーションシステムの運用を始めました。また、高齢化に伴い、よりきめ細やかな移動支援を行うため、地域バスの本格運行が令和5年度から東部地区と旭北地区で始まりました。
また、行政手続のデジタル化では、市民の利便性向上のため、6年度から、おくやみ窓口等の予約や各種申請手続をLINEで行える、新たな市民サービスの提供を開始するとともに、地域のイベント情報や緊急時の通知など生活に役立つ情報のプッシュ型配信をスタートさせました。
さらに、高校生世代の医療費について、4年4月から入院診療を、6年9月から通院診療を無償化するなど、医療費負担の軽減に努めました。
その他、コミュニティ支援と市民協働によるまちづくりとして、3年度から地域担当職員制度を開始したほか、4年度には地域カルテを作成し、地域の人口や世帯数の見通し、年少人口比率など地域の状況の見える化に努め、地域活動に役立てていただいています。6年度からは、包括的な福祉施策として、地域共生社会の実現に向け、支援ニーズと福祉制度や様々な地域資源をつなぐ、コミュニティソーシャルワーカーを配置しました。
今後とも地域の安全確保と住環境の向上を図り、市民が心豊かに、快適に暮らせるまちづくりを進めてまいります。
以上、3年間を振り返るとともに、今後の課題や方針を述べさせていただきましたが、こうした事項を踏まえて、令和7年度予算を編成しましたので、以降予算の概要等についてご説明いたします。
本市の7年度予算における歳入状況は、国の定額減税による影響を除くと、個人市民税は、賃上げ効果による給与所得の増加などを見込み、2.5パーセント、約1億2,500万円の増、法人市民税は、企業収益の増加を見込み、18.6パーセント、約8,400万円の増、市民税全体では3.8パーセント、約2億900万円の増額としました。
固定資産税は、家屋の新増築、臨海部企業の大規模設備投資などにより、3.3パーセント、約2億5,900万円の増額とし、市税全体では、3.3パーセント、約4億9,900万円の増額としております。
市税収入については、改善が見込まれますが、高齢化の進行に伴う社会保障関係経費や老朽化した公共施設の大規模改修費の増加が見込まれるほか、人件費の増加や終わりの見えない物価高などにも引き続き対応していく必要があり、本市の財政運営は依然として厳しい状況にあります。この厳しい財政状況にあっても持続可能な行政運営を実現するため、5年度に策定しました「ちた行革プラン2024」に基づいた各項目を確実に実施してまいります。また、先に申し上げました私の公約である「誰ひとり取り残さない社会づくり」、「次世代を担う子どもたちを育む教育環境づくり」、「産業振興と交流拠点整備によるにぎわいづくり」、「未来につながる持続可能な環境都市づくり」、「安全・安心で暮らしやすいまちづくり」に財源を重点配分した予算編成を行い、
ここに7年度当初予算として、
一般会計 365億7,200万円
特別会計 92億 480万円
企業会計 56億7,440万円
総額 514億5,120万円
の予算案を取りまとめ、お諮りさせていただくとともに、市民の皆さんのご理解をお願いするものでございます。
それでは、7年度予算に係る施策の概略を分野別に申し上げます。
始めに、総務・企画分野です。
防災対策では、大規模災害に備えるため、区画整理に伴う人口増が見込まれる八幡地区に、新たな避難所として知多翔洋高校を指定してまいります。また、災害時における通信手段の確保を図るため、衛星携帯電話の更新を行うほか、県が実施する次世代高度情報通信ネットワークの整備工事に対して応分の負担をしてまいります。さらに、防災まちづくり講演会を開催し、市民の防災意識の向上に努めてまいります。
地域安全では、防犯力向上のため、市内の主要交差点等に防犯カメラの設置を進めるとともに、家庭用防犯カメラ、特殊詐欺対策装置の設置に対する補助を引き続き実施してまいります。
地域活動では、コミュニティ活動に深く関わる自治会等の加入率が低下傾向にあることから、知多市コミュニティ連絡協議会と協働して自治会等加入促進チラシを作成し、加入率低下の抑制を図ってまいります。
地域公共交通では、脱炭素社会の実現に向けて、コミュニティ交通あいあいバスにEV車両1台を導入してまいります。また、公共交通の利用促進と子育て世帯の負担軽減を図るため、市内路線バスの通学定期券の購入に対する補助を引き続き実施してまいります。
多文化共生では、日本語が不慣れな外国人の子どもが増加していることから、日々の勉強や入学・進学時のサポートを含めた生活支援事業を拡充し、地域からの疎外や貧困に陥りやすい外国人を支援してまいります。
デジタル化の推進では、デジタル技術の活用による業務の効率化や市民サービスの向上をより一層強力に推し進めるため、DXの推進に特化した課を設置するとともに、自治体情報システムの標準化につきましても、8年2月からの運用開始を目指し、円滑かつ適切に対応してまいります。
職員の働き方改革では、閉庁までの窓口対応により、業務時間内での事務処理を行う時間の確保が難しいことから、市役所や保健センターなどにおいて、窓口での受付時間を短縮する開庁時間の変更を、7年5月から実施してまいります。開庁時間の短縮により生まれた時間を、政策課題の解決や、業務改善に活用し、質の高い市民サービスの提供に繋げてまいります。
また、市制施行55周年を市民とともにお祝いする機会として記念式典を挙行し、市政発展に貢献された方を顕彰するほか、市政のあゆみや文化、歴史を取りまとめた記録資料を作成いたします。
次に、福祉分野です。
社会福祉では、地域共生社会の実現に向けて、複雑化・複合化したケースや制度の狭間のニーズなどにより細やかに対応し、支援ニーズと地域資源をつなぐため、6年度に配置したコミュニティソーシャルワーカーを増員し、共に支え合う地域づくりをより一層推進してまいります。
障がい者福祉では、第5次知多市障がい者計画の策定に向け、障害者手帳の所持者を対象とした市民アンケートを実施するほか、災害時に自ら避難することが困難な障がい者に対し、安全に避難できるよう、引き続き実効性の高い個別避難計画の作成を支援してまいります。
また、障がい者活動センターやまもも第2では、排煙窓やバリアフリートイレの施設修繕を行うほか、パンの製造に使用する厨房機器を更新するなど、利用者が安心して作業できる環境を整備してまいります。
高齢者福祉では、多様化する支援ニーズに対応し、高齢者が住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らし続けることができるよう、生活支援コーディネーターを増員し、生活支援体制の強化を図ってまいります。
また、第9次知多市高齢者保健福祉計画の策定に向けて、介護保険被保険者を対象とした市民アンケートを実施するほか、第9期知多北部広域連合介護保険事業計画に基づき、認知症対応型共同生活介護施設を整備する民間事業者に対し補助金による支援をしてまいります。
次に、子育て支援分野です。
子育て支援では、複雑多様化する支援ニーズに対し、迅速かつ専門的な対応が求められることから、核となる「こども家庭センター」において、専門家によるスーパーバイズを導入し、職員の専門性の強化や資質の向上を図るとともに、関係機関と連携し地域全体の支援力を強化してまいります。
また、こども未来館では、老朽化した空調設備を更新し、施設の長寿命化を図るとともに、来館者が快適に施設を利用できるよう努めてまいります。
幼児教育・保育では、梅が丘幼稚園を公立の幼保連携型認定こども園に移行し、「梅が丘こども園」として開園するほか、新たに民間事業者が旭地区に開園する、「にじいろ保育園旭」の運営を支援し、保育需要の拡大や多様なニーズに対応してまいります。また、老朽化に伴う新田保育園の空調設備の更新を行い、保育環境の改善を図ってまいります。
次に、健康・文化分野です。
健康推進では、健康増進への機運の醸成を図り、市民の自主的な健康づくりをより一層促進するため、個人や地域団体等が取り組む健康づくりに関する優れた活動を表彰する、健康グランプリを実施してまいります。
予防では、帯状疱疹ワクチン接種について、65歳の方を対象に定期接種を開始するとともに、高齢者に対するコロナワクチン接種費用の一部を引き続き助成してまいります。
保険・福祉医療では、子ども、障がい者、高齢者などの医療費の助成を継続して行ってまいります。
生涯学習では、発足から3年目となります少年少女発明クラブについて、参加希望者が増加していることから、定員を30人から60人に倍増して実施してまいります。
中央図書館及び歴史民俗博物館の施設整備では、老朽化した電気設備を更新し、施設の長寿命化を図るとともに、来館者が安心して施設を利用できるよう努めてまいります。
生涯スポーツでは、7年9月から中学校の休日部活動が廃止されることから、子どもたちが進学してもスポーツ活動を継続して行える機会を確保するため、ジュニアスポーツ団体に対して補助金の拡充を行ってまいります。
また、市制施行55周年記念事業として、NHKの公開番組、知多市にゆかりのある「森岡完介」氏の作品による特別企画展や大相撲知多場所を開催いたします。
次に、環境分野です。
地球温暖化対策では、「ゼロカーボンシティ」の実現に向けて、住宅用蓄電池等の住宅用温暖化対策設備の購入に対する補助や省エネ診断の費用に対する補助を引き続き実施するほか、これまで個人用としてきた電気自動車などの次世代自動車の購入に対する補助を商用の燃料電池自動車にも拡大して実施してまいります。
知多斎場の施設整備では、老朽化した火葬炉の改修工事を実施し、施設の長寿命化に努めてまいります。
知多墓園では、3年度に整備した合葬式墓地の完売が見込まれることから、利用者のニーズに対応するため、新たに合葬式墓地を整備してまいります。
ごみ処理では、ごみの収集業務の効率化による経費削減を図るため、8年度からの全面委託化に向けて検討を重ねてまいります。また、旧清掃センターの解体工事では、周辺環境への影響が出ないよう、施工管理を徹底し、適切な解体工事を実施してまいります。
資源回収では、資源化を推進するため、大型プラスチック製品や木製家具、刈草など、リサイクルプラザでの持ち込み回収を引き続き実施してまいります。
次に、経済分野です。
商工振興では、物価高騰による家計の負担軽減と市内経済の活性化を図るため、プレミアム付商品券事業を実施してまいります。
観光振興では、梅という地域資源を活用した観光まちづくりを推進するため、8年度に開催を予定しています「全国梅サミット」に向けた準備を進めてまいります。
農業振興では、農畜産物の生産拡大と農業経営の効率化を図るため、認定農業者が行う生産施設整備に対する補助を継続して実施してまいります。
土地改良では、効率的に営農が可能な優良農地を創出することで、生産性の向上及び担い手の集団化を図るため、日長地区の土地改良事業やかんがい排水状況の改善を行うほか、引き続き県が実施する種廻間池の耐震改修工事に対して応分の負担をしてまいります。
次に、都市整備分野です。
都市計画では、策定から5年が経過する立地適正化計画について、計画の進捗やデータ分析結果を踏まえた見直しを行い、適切な土地利用の推進に努めてまいります。
宅地の耐震化では、大規模地震時における滑動崩落の危険性を予測するため、大規模盛土対策詳細地盤調査を実施するほか、民間木造住宅における耐震診断や耐震改修に対する補助を引き続き実施してまいります。
市営住宅では、「公営住宅等長寿命化計画」に基づき、緑ケ丘住宅の外壁及び排水設備の改修工事を実施し、施設の長寿命化を図ってまいります。
道路・橋りょうの新設改良として、道路では、「知多市舗装修繕計画」に基づき、旭桃台線、八幡新町線他5路線の舗装工事を、橋りょうでは、三ツ又橋の架け替え工事を継続して実施するほか、新たに朝倉橋の橋脚補修工事を行ってまいります。
また、新庁舎及び朝倉駅前駐車場の供用開始に合わせ、中街区の無電柱化施設の整備工事を実施してまいります。
雨水排水対策では、引き続き大草地区の新舞子第4排水区における側溝工事を進めるとともに、県が実施する日長川改修に伴う排水対策関連工事に対して応分の負担をしてまいります。
緑化・公園整備では、信濃川東部地区に2つ目となる新たな公園を整備するほか、市民が楽しく安全に利用できるよう、旭公園と七曲公園の遊具の更新や知多運動公園庭球場の人工芝の張り替え工事を行ってまいります。
旭公園と七曲公園については、7年度から指定管理者制度を導入し、利用者へのサービス向上と業務の効率化を図ってまいります。
上水道では、地震対策として、丸根配水場からの基幹配水管耐震工事を継続して実施するほか、重要給水拠点につながる基幹配水管の耐震設計を行ってまいります。また、大興寺工業団地につながる管路を耐震管で複線化する管網整備を実施するなど、水の安定供給と安全確保に努めてまいります。
下水道では、老朽化対策として、南部浄化センターの沈砂脱臭設備や水処理設備の更新工事を実施するほか、地震対策として、重要な汚水幹線の耐震補強工事を引き続き実施し、安定した下水処理機能の維持に努めてまいります。また、有事の際、迅速な避難と被害の低減を図るため、集中豪雨による雨水浸水シミュレーションを行い、雨水出水浸水想定区域図を策定してまいります。
さらに、下水道事業の持続可能な運営を目指し、施設の適正な維持管理や下水道サービスの確保を行うため、民間活力を活用する官民連携事業(ウォーターPPP)の導入に向けた導入可能性調査を実施してまいります。
次に、消防分野です。
消防では、多様な災害に対応し、迅速かつ的確な消防活動や救急活動を行うため、資機材搬送車及び高規格救急自動車などの更新を行うほか、進入路が狭隘な場所での火災にも迅速に対応することができるよう、消防団第5分団に配備されている消防ポンプ自動車を軽自動車の小型動力ポンプ積載車に更新し、地域防災力の強化を図ってまいります。
また、火災現場における要救助者の早期発見と隊員の安全確保のため、熱画像直視装置8台を追加配備するほか、酸欠危険場所や生物・化学災害時等の活動に必要となる空気呼吸器などの消防資機材を更新してまいります。
次に、教育分野です。
学校教育では、特別な支援を必要とする児童生徒の増加に対応するため、6年度に配置した特別支援教育支援員を増員してまいります。さらに、スクールソーシャルワーカーを増員し、児童生徒が抱える問題に対して、学校や関係機関が連携して支援を行い、より多くの児童生徒が安心して学習できる環境を整備してまいります。
教育環境の整備では、旭南中学校でスロープ設置等のバリアフリー改修を行うほか、中学校体育館に空調設備を整備し、快適で安全な教育環境の向上を図ってまいります。
学校給食では、老朽化した調理機器及び設備を更新し、安全で安心な給食を提供してまいります。
最後に、朝倉駅周辺整備事業です。
はじめに、市役所新庁舎ですが、9年度の開庁に向けて、いよいよ本格的な建設工事に着手してまいります。7年度は、新庁舎の基礎、免震層、躯体の工事を予定しているほか、引き続き新庁舎で使用する什器のレイアウトや新規購入計画等を検討してまいります。にぎわいのあるまちづくりの先駆けとして、市民の出会いと交流の拠点となる新庁舎建設を着実に進めてまいります。
次に、朝倉駅前の駐車場整備についてです。
市民の皆さんの利便性を向上するとともに、中街区の限られた敷地を有効に活用するため、立体駐車場については、7年度中に設計・施工事業者を選定し、9年度の供用開始に向けて施設整備を進めてまいります。
北街区については、にぎわい創出の核となるエリアであるため、市民ニーズにお応えするまちの姿の実現に向け、事業者公募に必要な関係資料を作成し、事業を進めてまいります。
このエリアは、基本構想に基づき、商業機能を中心とした拠点形成を図っていく準備を進めてきました。基本構想策定から7年が経過し、ライフスタイルの変化や物価高騰など、本事業を取り巻く状況が大きく変化していることから、時代に即し、将来にわたって誇りの持てるにぎわいづくりが期待されていると認識しているところです。そのため、このエリアには、基本構想に描いたイメージを踏まえつつ、安心して集い、交流できる空間の整備をするために、多くの子育て世代にご利用いただける施設として、「屋内型あそび広場」の誘致に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。また、合わせて、様々な市民ニーズを踏まえ、中央図書館の移転を見直し、図書と交流をテーマとした施設の整備を検討してまいります。
朝倉駅周辺に、にぎわいを創出し、本市の活性化を先導する本事業を必ず成功に導くため、引き続き全力で取り組んでまいります。
以上、7年度予算案の概要について、申し述べさせていただきました。
今年は、9月1日に市制施行55周年という節目の年を迎えますので、記念式典を挙行するほか、様々な行事で、市民の皆さんと一緒にお祝いをしたいと思っております。そして、これまで知多市の礎を築き上げてきた先人たちのたゆまぬ努力と功績に感謝の意を表するとともに、歴史と文化をしっかりと受け継ぎながら、今後の更なる飛躍を誓うものであります。
最後になりますが、冒頭でも述べましたように、今年は、私にとりましても3期目の任期の最終年という大変重要な時期を迎えます。私は、1期目の市長就任当初から、「人と人とのつながり・思いやりと助け合い」が、まちづくりの根底にあるべき最も大切なことであるという信念の下、これまで市政運営に邁進してまいりました。
しかし、人口減少や少子高齢化など時代の変化とともに、長く続いたコロナ禍の影響も重なり、地域におけるつながりの希薄化が進行し問題視されております。本市においても憂慮すべき事態でありますが、私は、これまで多くの地域行事やイベントに参加させていただく中で、知多市を誇りに思い、絆と支え合いの心を大切にされている市民の皆さんが本当に多いと感じています。もちろん私自身もその一人であります。
このような変化の激しい時代だからこそ、人と人とのつながりをより一層強め、絆と信頼関係で結ばれた皆さんと協働してまちづくりを進めることで、いかなる難題も乗り越え、第6次総合計画で、皆さんとともに描いた「理想の未来」が必ずや実現できると確信しております。私も3期目の集大成の年として「住んで良かった」「ずっと住み続けたい」と思っていただける、明るく元気なまちの実現に向けて、愛する郷土、知多市の将来のために力の限り取り組んでいく覚悟であります。
今後とも、議員各位はもとより、市民の皆さんの一層のご理解と、ご協力を心からお願い申し上げ、新年度に向けての私の施政方針とさせていただきます。
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