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令和5年度施政方針

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更新日 2023年02月27日

令和5年2月27日

令和5年度施政方針

 

令和5年度 施政方針
  

 本日ここに、令和5年第1回知多市議会定例会を、招集申し上げましたところ、議員各位にはご多忙の中、ご参集を賜り、厚くお礼申し上げます。

 本定例会にご提案申し上げます、令和5年度当初予算案を始めとする諸議案の説明に先立ち、所信の一端を申し述べ、市議会及び市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 この1年を振り返ってみますと、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、市民の皆様の健康が脅かされ、経済活動も停滞していたところに、ちょうど1年前にロシアによるウクライナへの軍事侵攻がありました。本市議会におきましても直ちに「ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議」を全会一致で決議されるとともに、平和を求める市民の皆様の意識の高揚を受け、市民の総意として世界の恒久平和を願う本市の立場を明確にするため、9月に「平和都市宣言」をいたしました。

 残念なことに紛争は未だ続いており、このウクライナ侵攻に端を発する資源高、原材料高、これに連動する物価高に加え、急激な円安により、市民の皆様の普段の生活にも影響が出始め、本市におきましても補正予算を8回ご議決いただき、総額約23億円を予算化し下支えをしてきたところです。

 一方で、明るい話題としては、新型コロナウイルス感染症の影響により中止や延期が続いておりました、「新舞子ビーチフェスティバル花火大会」と「産業まつり」を3年ぶりに、また「ちた梅子マラソン」を市民マラソンとしては、約20年ぶりに無事開催することができました。花火を観て喜ぶ子どもたちの姿、買い物やステージを楽しまれている皆様のあふれる笑顔を拝見し、少しずつではありますが、日常を取り戻しつつあると大変うれしく思いました。このようなイベントの開催が、まちの活性化、人と人とのつながりや交流をもたらし、地域社会に活力を与えることを改めて実感するとともに、引き続き皆様の心に楽しい思い出として残るよう取り組んでまいります。

 さて、このように1年間を振り返りましたが、私もこの1年間、市政への重責を担い、誠心誠意取り組んでまいりました。今後も引き続き、市民の皆様にお約束した6つの柱である「新型コロナウイルス感染症に対応する体制づくり」、「誰ひとり取り残さない社会づくり」、「次世代を担う子どもたちを育む教育環境づくり」、「産業振興と交流拠点整備によるにぎわいづくり」、「未来につながる持続可能な環境都市づくり」、「安全・安心で暮らしやすいまちづくり」を中心にスピード感を持って各種施策を展開し、「明るく元気なまち」を目指して全力で取り組んでまいります。

 これらの施策を中心に令和5年度予算を編成しましたので、以降、予算案の概要についてご説明いたします。

 まず、経済情勢についてであります。我が国の経済は、内閣府の月例経済報告によると「景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、ゆるやかに持ち直している」とされており、先行きについても「ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待される」とされています。

 このような経済情勢の中で、国の5年度当初予算案は、4年度第2次補正予算と一体として、歴史の転換期を前に、我が国が直面する内外の重要課題に対して道筋をつけ、未来を切り拓くための予算と位置づけられ、総額は、前年度比6.3パーセント増の約114兆3,800億円と初めて110兆円を超え、過去最大となりました。

 一方、地方財政対策では、社会保障関係費の増加が見込まれる中、住民のニーズに的確に応えつつ、地域社会のデジタル化や脱炭素化の推進など様々な行政課題に対応し、行政サービスを安定的に提供できるよう、地方交付税等の一般財源総額について前年度を0.2パーセント増の約62兆1,600億円が確保されました。

 こうした状況の下、本市の5年度予算における歳入状況につきましては、個人所得の増加、企業収益の改善を見込み、市民税が約3億5,400万円、6.8パーセントの増額、固定資産税は、企業の設備投資の減少が見込まれるものの、新築家屋の増加や宅地化農地の軽減措置の終了などにより約1億2,900万円、1.6パーセントの増額とし、市税全体では、約5億5,100万円、3.7パーセントの増額としております。

 市税収入については、改善が見込まれますが、長期化するコロナ禍の影響に加え、原油価格・物価高騰による影響も重なり、財政状況の先行きは依然として不透明な状況にあります。一方、計画の最終年度を迎えます「知多市緊急財政改善プラン」では、取組事項を着実に推進することで、目標とする3年間で15億円の効果額を捻出するとともに、市民生活において不可欠なサービスを確保するため、防災・子育て・福祉・教育などの重点事業に財源配分しつつ、感染症対策や物価高騰対策などの重要課題にも対応する予算編成を行い、5年度予算として、

 一般会計 302億800万円 特別会計 91億7,250万円 企業会計 57億2,580万円 総額 451億630万円の予算案を取りまとめ、皆様に、お諮りさせていただくとともに、市民の皆様のご理解をお願いするものでございます。

 それでは、令和5年度予算に係る施策の概略を分野別に申し上げます。

 

 始めに、総務・企画分野です。

 新庁舎整備では、9年度中の供用開始を目指し、総務課内に新庁舎整備等に特化した室を設置するとともに、基本設計及び実施設計等を行ってまいります。整備事業に当たっては、元年度に策定しました「知多市新庁舎整備基本計画」やコロナ禍以降の社会状況に対応する新庁舎整備の在り方の検討内容をもとに、行政サービスの提供拠点、有事における対応拠点として、また市民の憩いの場と交流の場として、利便性が高く、将来にわたり市民から頼りにされる庁舎となるよう整備を進めてまいります。

 防災対策では、災害時の情報伝達機能の確保のため、老朽化した防災行政無線(同報系)拡声子局を改修してまいります。また、大規模災害時の避難生活に備えるため、引き続き備蓄食糧の更新を進めるほか、簡易水槽、ポンプ等の資機材を充実させ、避難所の環境整備を図ってまいります。さらに、防災まちづくり講演会を開催し、市民の防災意識の向上に努めてまいります。

 安全対策では、昨年12月に制定しました犯罪被害者等支援条例に基づく支援金制度を継続し、犯罪被害者に対する迅速かつ必要な支援を行ってまいります。また、家庭用防犯カメラの設置補助、特殊詐欺対策装置の購入補助を引き続き実施し、地域防犯力の向上と犯罪被害の防止に努めてまいります。

 地域活動では、地域担当職員の派遣を継続するほか、コミュニティ事業交付金による自立支援、地域活動の担い手育成事業による人材育成、人口や高齢化率などの統計データをコミュニティや行政区別にまとめ、地域の特性を見える化した「地域カルテ」の活用の推進等を通じて、地域が抱えている課題解決に向けた支援と、次代のコミュニティづくりを推進してまいります。

 地域公共交通では、地域との協働により運行する「地域バス」について、東部、旭北の2コミュニティで実証運行を開始し、南粕谷コミュニティでは実証運行に向けた準備が進められておりますが、本運行を目指し、引き続き地域とともに取り組んでまいります。

 デジタル化の推進では、国が示す自治体DX推進計画に基づき、7年度を目標時期とする自治体情報システムの標準化を円滑に実施するため、国が作成する標準仕様書と現行システムに係る仕様との差異の洗出しや移行に当たって必要な事務運用の見直しを行うなど準備を進めてまいります。

 税収納では、地方税共通納税システムの対象税目を拡大し、納税者の利便性の向上に努めるとともに、特別徴収税額通知の電子化及び市たばこ税の電子申告手続きに対応し、納税者の納付事務の負担軽減を図ります。

 窓口のワンストップ化では、死亡に伴う手続きが複数の課にわたることから新たに「おくやみ窓口」を開設し、ご遺族の負担を軽減してまいります。

 そのほか、公用車に電気自動車を導入いたします。走行時に二酸化炭素を排出しない電気自動車の普及促進は、脱炭素社会の実現に向けて必要不可欠であり、取組の必要性の周知に努めてまいります。

 

 次に、福祉分野です。

 社会福祉では、複合化・複雑化した支援ニーズに対応する重層的支援体制の整備として、引き続き多機関協働推進員を配置し、支援機関の協働をコーディネートするとともに、生活困窮者自立支援事業、アウトリーチ等継続的支援事業、就労準備支援事業を継続するほか、緊急時に一時的に衣食住を確保する一時生活支援事業を新たに実施し、生活困窮者への支援を強化してまいります。

 また、生活保護の医療扶助について、マイナンバーカードを利用したオンライン資格確認の導入に対応し、生活保護を受けている方の利便性の向上を図ってまいります。

 障がい者福祉では、手話通訳者の配置時間を延長するとともに、窓口対応に音声文字化アプリを導入し、聴覚に障がいのある方の意思疎通の支援を強化してまいります。また、身体に重度の障がいがあることにより家庭での入浴が困難な方に入浴車を派遣する訪問入浴サービス事業について、派遣回数の上限を週1回から週2回に拡充していまいります。

 障がい者活動センターやまもも第2では、梅干しの製造及びアート製品を作成するための備品の整備を行い、障がいのある方への働く機会の提供と安定的な施設運営を支援してまいります。

 高齢者福祉では、重層的支援体制の整備として、多様化する支援ニーズに対応するため、高齢者相談支援センターの職員体制を強化し、包括的相談支援体制を拡充してまいります。また、難聴高齢者の生活の質の維持と社会参加の促進を図るため、補聴器購入に係る費用の一部を助成してまいります。さらに、高齢者のデジタル格差の解消を図るため、「無料スマホ講習会」を実施するとともに、高齢者がいきいきと安心して暮らし続けることができるよう、サロンなどの交流の場や弁当の配達、家事代行など日常生活に役立つ地域の情報を集約した生活おたすけマップを作成してまいります。

 災害時に自ら避難することが困難な障がい者や高齢者に対しては、安全に避難できるよう、実効性の高い個別避難計画の作成を支援してまいります。

 

 次に、子育て支援分野です。

 子育て支援では、こども家庭庁の創設に伴う子育て支援政策や制度改正に適切に対応していくとともに、第3期子ども・子育て支援事業計画の策定に向けて、子育て世帯を対象とした市民アンケートを実施してまいります。また、妊娠期から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援と経済的支援を一体として実施する出産・子育て応援給付事業を引き続き実施するほか、子どもとの関わり方や子育てに悩みや不安を抱いている保護者に対し、親子の関係性や発達に応じた子どもとの関わり方等を学ぶペアレントトレーニングを実施し、子育て不安の解消や親子の愛着関係の形成を図ってまいります。

 児童虐待対策では、支援が必要な家庭の早期発見、虐待の未然防止に対応するため、4年度に設置した「子ども家庭総合支援拠点」の相談体制を強化するとともに、支援が必要な家庭や学校に居場所のない子どもたちが、安心して通える子どもの居場所支援事業を引き続き実施してまいります。

 幼児教育・保育では、0歳児から2歳児までの保育需要に対応するため、東部幼稚園を民間事業者が運営する幼保連携型認定こども園「知多クロスこども園」に移行し運営を支援するほか、梅が丘幼稚園の認定こども園化に向けて施設整備を行ってまいります。また、保護者及び保育士の負担軽減を図るため、公立各園で園児の使用済紙おむつの回収・処分を本年度中に試行運用し、5年度から正式運用に移行してまいります。

 児童発達支援では、発達状況等により個別の支援が必要な児童に対し、保育園、幼稚園における特別支援クラスを拡充し、きめ細かな保育を行うことで、児童の健やかな成長と円滑な小学校への就学を支援してまいります。

 保育園の施設整備では、老朽化によるつつじが丘保育園の外壁塗装補修をするほか、岡田西保育園屋上防水改修のための設計を行い、保育環境の改善を図ってまいります。

 

 次に、健康・文化分野です。

 健康推進では、健康日本21ちた計画及び自殺対策計画を統合した新たな計画の策定に向け、市民アンケートを実施してまいります。また、近視・乱視などの弱視を早期に発見するため3歳児健診で視覚スクリーニング検査を開始するほか、不妊治療に対する補助について、補助対象を拡充して引き続き実施してまいります。

 予防では、80歳までに約3人に1人がかかるといわれております帯状疱疹について、50歳以上の方を対象にワクチン接種費用の一部を助成してまいります。また、子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨が差し控えられていた期間に定期接種を逃した方に対し、任意接種において負担した費用の助成を継続するほか、がん患者の方の医療用補正具の購入に対する補助を引き続き実施してまいります。

 新型コロナウイルスワクチン接種事業につきましては、引き続きワクチンの追加接種及び小児・乳幼児への接種を市内医療機関等での個別接種により実施し、感染拡大の防止と重症化の予防を図ってまいります。

 海浜プール跡地に建設いたします温水プール等の健康増進施設については、6年度の供用開始を目指し、引き続き西知多医療厚生組合を事業主体として建設を進めてまいります。

 保険・福祉医療では、子ども、障がい者、高齢者などの医療費の助成を継続して行ってまいります。

 特定健康診査では、健康意識及び受診率の向上を図るため、ナッジ理論を活用した一人ひとりに適した受診勧奨を行ってまいります。

 生涯学習では、少年少女発明クラブを立ち上げ、発明の楽しさと創作の喜びを体験させる講座をふれあいプラザで開催するほか、老朽化した中央図書館のエレベーターを改修し、利用者の利便性と安全性の確保を図ってまいります。

 大草城址では、文化財としての評価を行い、保存活用を検討するため、大草城址の測量を実施し、文化財指定や学術的研究の進展を図ってまいります。

 生涯スポーツでは、総合型地域スポーツクラブの未設置地区への設立を継続して支援していくとともに、「ちた梅子マラソン」では、より多くの方に参加していただき楽しんでもらえる大会となるよう取り組んでまいります。

 また、メディアス体育館ちたの施設整備では、老朽化した屋根の改修工事を実施し、皆様が安全、快適に施設を利用できるよう努めてまいります。

 

 次に、環境分野です。

 地球温暖化対策では、「ゼロカーボンシティ」の実現に向けた計画を策定するとともに、4年度に創設したゼロカーボンシティちた推進パートナー制度を活用し、パートナーに認定した事業者や団体等とゼロカーボンの取組や温室効果ガス排出量の削減を進め、市内のゼロカーボンに係る機運の醸成を図ってまいります。

 また、公共施設等における太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入に向けた調査を行うほか、運輸部門から排出される温室効果ガスを削減するため、環境性能に優れた次世代自動車の購入に対する補助制度を新設いたします。

 さらに中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議に参加し、愛知県・中部圏水素利用協議会などと協力して、中部圏における大規模な水素・アンモニアの社会実装実現への取組を推進してまいります。

 環境・美化では、快適な生活環境を保全するための環境測定器の計画的な更新やクリーンキャンペーンなど地域の環境美化活動を引き続き実施してまいります。また、飼い主のいない猫のふん尿等の被害防止のために募りましたクラウドファンディングを活用し、地域ねこ不妊手術費用補助金を拡充し、まちの環境美化に努めてまいります。

 知多斎場の施設整備では、老朽化した火葬炉の改修工事を実施し、施設の長寿命化と安定的な稼働を確保してまいります。

 ごみ処理では、新たなごみ処理施設である西知多クリーンセンターについて、6年度の施設稼働を目指し、引き続き西知多医療厚生組合が事業主体として建設工事を進めてまいります。

 資源回収では、プラスチック製品の資源化を推進するため、6年度からのプラスチック類のごみ収集場所での回収とリサイクルプラザでの持ち込み回収の開始に向けて、地域説明会を開催する等準備を進めてまいります。

 

 次に、経済分野です。

 産業振興では、造成中の知多大興寺(2期)地区の造成工事に伴う地区外排水設備の整備工事を行うとともに、企業誘致の推進や雇用の拡大を図るため、次期工業用地開発に向けた準備を進めてまいります。

 観光振興では、新舞子ビーチフェスティバル花火大会において、音楽と花火をシンクロさせたミュージック花火を引き続き実施するとともに、新型コロナウイルス感染症対策を講じて、来場者が安心して楽しめるイベントとなるよう取り組んでまいります。また、終期を迎えます観光振興計画について、より実効性の高いものとなるよう、観光資源調査等の結果・分析に基づいたアクションプランを取り入れた計画を策定してまいります。

 eスポーツでは、年齢や性別、障がいの有無などに関わらず、平等に楽しむことができるユニバーサルスポーツとして普及・浸透させるため、eスポーツの大会や体験会を開催するとともに、福祉部門との連携により高齢者への普及啓発に取り組んでまいります。

 農業振興では、農畜産物の生産拡大と農業経営の効率化を図るため、認定農業者が行う生産施設整備に対する補助を継続するほか、新規就農者に対する支援と農業の未来を担う若手後継者の育成を進めてまいります。

 土地改良では、大草排水機場の機能保持のため排水ポンプのオーバーホールを実施するほか、県が実施する種廻間池の耐震改修工事や基幹農道の舗装打換え工事に対して応分の負担をしてまいります。

 

 次に、都市整備分野です。

 市街地整備では、良好な工業用地の創出のため、引き続き新南地区の土地区画整理組合を支援してまいります。

 空家対策では、空家等の適切な管理や利活用の促進に関する取組を一層推進するため、市内の空家等の状況を把握する実態調査を実施してまいります。

 道路・橋りょうの新設改良として、道路では、「知多市舗装修繕計画」に基づき、北浜金沢線、新舞子大興寺線の舗装工事を実施いたします。また、県が実施する主要地方道知多東浦線及び西知多道路の整備に伴う、市道付替えのための用地取得を引き続き進めてまいります。

 排水対策として、岡田地区において二級河川日長川流域の雨水貯留施設の検討を行ってまいります。また、継続事業である平井排水区に加え、県が実施する日長川改修工事に伴う排水対策関連工事に対して応分の負担をしてまいります。

 緑化・公園整備では、西知多道路の整備に伴い移転が必要となりましたハジカミほ場について、今後も緑の拠点として緑化事業を推進していく必要があることから、移転再整備を行ってまいります。また、新南地区に新たな公園を整備するほか、土地区画整理事業に併せて信濃川東部地区に公園を整備するための設計を実施してまいります。

 上水道では、耐震対策として、丸根配水場からの基幹配水管耐震工事を継続して実施するほか、老朽管の更新工事では、つつじが丘地区を始め6地区で布設替えを実施してまいります。また、水道水を安定して供給するために、配水場の施設更新工事を引き続き実施するとともに、水道水の安全を確保するため、自動水質監視装置を設置してまいります。

 下水道では、安定した下水処理機能を確保するため、南部浄化センターの老朽化した設備の更新及び耐震補強を進めるとともに、新たに雨天時における処理場への流入水増加を抑制するため、下水道管等に流入する雨水等の不明水調査を実施してまいります。また、昨年度に引き続き雨水排水対策として東部地区の阿久比川第6排水区と大草地区の新舞子第4排水区において、排水施設の整備工事を進めてまいります。

 

 次に、消防分野です。

 消防では、多様な災害に対応し、迅速かつ的確な消防活動を行うため、消防ポンプ自動車の更新を行うほか、水難事故から市民の生命、身体を守るため潜水資器   材の更新を行ってまいります。

 また、愛知県消防学校等の専門課程へ職員を派遣し、幹部の養成や消防救急に係る技術と知識の向上を図ってまいります。

 

 次に、教育分野です。

 学校教育では、不登校や虐待、いじめなど支援する案件の複雑化と件数の増加に対応するため、スクールソーシャルワーカーを増員し、相談体制を充実することでより多くの児童生徒が安心して学習できる環境を整備してまいります。

 学校のICT化では、主体的・創造的な学びの実現に向けて、これまで整備した電子黒板、タブレット端末、デジタル教材などを利用したICT教育の推進に引き続き取り組むほか、学校に通うことができない児童生徒にオンライン授業を行う環境を整えるなど、きめ細かな指導・支援に繋げてまいります。

 教育環境の整備では、快適で安全な学びの場を提供するため、小中学校の理科室や多目的ホール等利用頻度の高い特別教室への空調設備の整備を進めるための実施設計を行うほか、佐布里小学校に乗用エレベーターを設置する改修工事を行ってまいります。

 学校給食では、老朽化した調理機器及び設備を更新し、安全で安心な給食を提供してまいります。

 

 そして、最後になりますが、

 朝倉駅周辺整備事業については、令和2年度に着工した駅前ロータリーが完成を迎え、来月25日から全面的な利用開始となります。その他の事業については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などにより、社会全体の先行きの不透明感が増したことから、3年度から事業者の公募を延期してまいりました。それから2年が過ぎ、ウィズコロナとして、社会経済活動の回復に日本全体が取り組む中、本市としても延期していた朝倉駅周辺整備事業を前へ進めることとしました。その中で北街区と中街区の一括公募を見直し、街区を分割して整備を行うことにいたしました。具体的には、5年度から中街区の整備を先行し、新庁舎及び駅前駐車場の整備を進めていくとともに、必要なインフラ整備等に取り組んでまいります。また、にぎわい創出の核となる北街区については、「緑を活かしたにぎわい」を具体化するための調査を行い、市や市民にとって一番メリットのある事業手法などについて検討してまいります。

 朝倉駅周辺整備事業については、コロナ禍を経た今でも、その必要性、重要性は変わらないものと考えており、朝倉駅周辺に、にぎわいを創出し、本市の活性化を先導する本事業の趣旨を早期に実現できるよう、着実に一歩ずつ前へ進めてまいります。

 以上、5年度予算案の概要について、申し述べさせていただきました。

 

 今年はうさぎ年で、その中でも癸卯の年になります。「癸」は静かで温かい大地を潤す恵みの水を表し、生命の終わりと新たな生命の成長を意味しています。また「卯」はうさぎのように跳ね上がるという意味があり、これらを合わせますと、今までの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍する縁起の良い年になると言われています。私にとりましても市長就任から10年目という節目の年を迎え、知多市がこれから10年先、100年先も更に発展し飛躍を遂げることができるよう、皆様の声にしっかりと耳を傾け、誰もが幸せに暮らす未来の知多市への礎を築いていくとともに、これまでまいてきた種が、立派な花を咲かせ大きな実となり、市民の皆様に喜びと幸せをもたらす年となるよう、職員一丸となって、市政運営に全身全霊をかけて取り組んでまいる所存であります。

 

 今後とも、議員各位はもとより、市民の皆様の一層のご理解と、ご協力を心からお願い申し上げ、新年度に向けての私の施政方針とさせていただきます。

 

 

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