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令和4年度施政方針

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更新日 2022年02月24日

令和4年2月24日

 

宮島壽男知多市長

 

令和4年度 施政方針
  

本日ここに、令和4年第2回知多市議会定例会を、招集申し上げましたところ、議員各位にはご多忙の中、ご参集を賜り、厚くお礼申し上げます。

   本定例会にご提案申し上げます、令和4年度当初予算案を始めとする諸議案の説明に先立ち、所信の一端を申し述べ、市議会及び市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

   昨年9月の市長選挙におきまして、多くの市民の皆様からご信任をいただき、ここに3期目、初めての施政方針を述べるにあたり、責任の重さを痛感しているところであります。本市の目指すべき将来像として、第6次総合計画の中で掲げた、市民の皆様が幸せに暮らす理想の未来の実現に向け全力で取り組んでまいる所存です。

 さて、3期目にあたり、私は公約として、知多市が明るく元気なまちをめざしていくことを掲げ、6つの政策を明らかにしました。

  1つ目は、新型コロナウイルス感染症に対応する体制づくりです。この1年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の波が続き、度重なる緊急事態宣言の発令など、市民生活、社会経済は大きな影響を受けました。こうした中、医療従事者の皆様のご尽力や市民の皆様のご協力によりワクチン接種を順調に進めることができ、市民の約8割の方が2回目の接種を終えることができました。ご協力いただいた皆様には心から感謝を申し上げます。

 しかしながら、新たな変異株の発生など、予断を許さない状況は続いており、前倒しで3回目のブースター接種を進めております。国や県の動向を注視し、スピード感を持って、円滑かつ安全な接種を進めてまいります。市民一人ひとりの生命と健康、安全と安心を守ることを最優先に考え、引き続き感染症対策と地域経済の立て直しに取り組んでまいります。

  2つ目は、誰ひとり取り残さない社会づくりです。SDGsの理念である誰ひとり取り残さない社会の実現に向けて、高齢者、障がい者、子ども、生活困窮者など誰もが安心して住み続けることができるまちを目指してまいります。ひとり親の方でも子育てと仕事が両立できるよう支援するほか、虐待など困難を抱えた子どもや家庭に対する相談体制の強化、ひきこもりの状態にある方の社会参加に対する支援など、社会的に困っている方を誰ひとり取り残すことなく、すべての人が笑顔で暮らせる施策に取り組んでまいります。

  3つ目は、次世代を担う子どもたちを育む教育環境づくりです。これまで整備してまいりましたタブレット端末、高速通信ネットワークといったICT環境を活用して、児童・生徒一人ひとりの個性に合わせた教育を推進していくほか、特別教室・体育館への空調設備の設置、トイレの洋式化などの教育環境の充実にも取り組んでまいります。また、支援が必要な児童生徒に対して、きめ細かな対応ができる体制整備にも引き続き取り組むほか、学校と地域が連携、協働し特色ある学校・地域づくりを進めるコミュニティ・スクールと地域学校協働本部事業を一体で整備し、地域ぐるみで子どもを育てる環境づくりを推進してまいります。

  4つ目は、産業振興と交流拠点整備によるにぎわいづくりです。新南地区、信濃川東部地区では土地区画整理事業、大興寺地区では工業用地整備事業が進んでおりますが、これらの事業を円滑に進めるとともに、新たな工業用地の開発についても検討を進め、地域経済の活性化と雇用の場の創出を図ってまいります。

   また、朝倉駅周辺整備事業については、現在、事業者公募を延期しておりますが、本市の核となるプロジェクトであることに変わりはありません。昨年オープンした「愛知県フットボールセンター知多」、今年4月に旧緑広場に完成する、プロのフットサルチーム「名古屋オーシャンズ」のトレーニングセンター、海浜プール跡地に建設される温水プール等の健康増進施設などの新しい施設との相乗効果も取り込んで、朝倉駅周辺がにぎわいの拠点となるよう、まちづくりに取り組んでまいります。

   5つ目は、未来につながる持続可能な環境都市づくりです。近年、地球温暖化の進行が深刻な状況になっており、脱炭素社会を構築することが急務となっております。先月には、脱炭素社会の実現に向け、中部圏における大規模水素サプライチェーンの社会実装に関する提言書が、中部圏水素利用協議会と、中部地方の経済3団体から愛知県知事に提出され、究極のクリーンエネルギーと言われる水素の利用拡大の動きが急速に進んでいます。中部圏におけるエネルギーの供給拠点である本市が、率先してクリーンエネルギーの利用による二酸化炭素排出量の削減に取り組むことは、大きな意義があるものと考えております。

   昨年8月に、地球温暖化対策に向き合い、実践する決意として、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティちた」を宣言いたしました。この先も変わらず緑豊かで美しい地域で暮らしていけるよう、目標達成に向けて、市民、企業とスクラムを組んで脱炭素化に取り組んでまいります。また、中部圏のカーボンニュートラル実現に貢献すべく、海外からの大規模水素受入基地として選んでいただけるよう様々な活動を進めてまいります。

  6つ目は、安全・安心で暮らしやすいまちづくりです。全国各地で毎年のように集中豪雨や台風による大きな被害が発生しております。頻発化、激甚化する災害に対しては、日頃から十分な備えをしておく必要があります。引き続き、備蓄の強化や避難所の環境整備を進めるとともに、市民の皆様の防災意識の向上に取り組んでまいります。

 また、ICTの急速な進展により人々のライフスタイルが大きく変化しておりますが、市の様々な業務もデジタル化を進め、市民の皆様の利便性の向上と業務の効率化に取り組んでまいります。

   以上、私が、3期目にあたり市民の皆様にお約束した6つの柱を中心に、今後取り組んでまいります施策を述べさせていただきました。

 

 これらの施策を踏まえて、令和4年度予算を編成しましたので、以降、予算案の概要についてご説明いたします。

   まず、経済情勢についてであります。我が国の経済は、内閣府の月例経済報告によると「景気は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられる。」とされています。

   このような経済情勢の中で、国の4年度当初予算案は、3年度補正予算と一体として、新型コロナ対策に万全を期しつつ、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を目指すもので、総額は、前年度比0.9パーセント増の約107兆6,000億円と4年連続で100兆円を超え、過去最大となりました。

   一方、地方財政対策では、社会保障関係費の増加が見込まれる中、行政サービスを安定的に提供しつつ、地域社会のデジタル化や公共施設の脱炭素化の取組等の推進、消防・防災力の一層の強化などの重要課題に取り組めるよう、地方交付税等の一般財源総額について前年度を上回る62兆円が確保されました。

   こうした状況の下、本市の4年度予算における歳入状況につきましては、雇用・所得環境の改善を見込み、市民税が約1億1,000万円、2.2パーセントの増額、固定資産税は、新築家屋の増加や新型コロナ軽減特例の終了などにより約2億3,000万円、3.0パーセントの増額とし、市税全体では、約3億7,000万円、2.6パーセントの増としております。

   市税収入については改善が見込まれますが、新型コロナウイルス感染症の収束はいまだ見えておらず、財政状況の先行きについても不透明な状況にあります。厳しい状況下においても市民生活に不可欠なサービスを継続できるよう、昨年2月に「知多市緊急財政改善プラン」を策定し、3年度から5年度までの3か年で集中的に財政構造の見直しを進めているところであります。財政構造改善に取り組みつつ、感染症対策などの重要課題にも対応する予算編成を行い、4年度予算として、

 一般会計 293億4,200万円、 特別会計  94億8,810万円、 企業会計  60億5,730万円

  総額448億8,740万円の予算案を取りまとめ、皆様に、お諮りさせていただくとともに、市民の皆様のご理解をお願いするものでございます。

  

 それでは、令和4年度予算に係る施策の概略を分野別に申し上げます。

  初めに、総務・企画分野です。

  防災対策では、備蓄食糧の更新を進めるほか、災害時に給水拠点や避難所における給水活動を効率的に実施するための簡易水槽、ポンプ等を整備するなど、避難所の環境整備を進めてまいります。

  交通安全では、3年度から実施しております自転車乗車用ヘルメットの購入費用に対する補助を引き続き実施し、自転車利用者の交通事故による被害の軽減に努めてまいります。

  地域安全では、昨年10月に開始した、特殊詐欺対策装置の購入費用に対する補助を引き続き実施し、振り込め詐欺など、深刻化する高齢者の特殊詐欺被害の防止を図ってまいります。

  地域活動では、3年度に開始した地域担当職員制度について、各コミュニティ専属の相談員として、きめ細かな情報提供や助言などに努め、地域活動の支援を行ってまいります。

  地域公共交通では、道路事情などから既存の公共交通では対応が難しい地域において、地域との協働により運行する「地域バス」の導入に向けて、コミュニティと共に実証運行による運行プランの検証を行い、本運行へ向け、準備を進めてまいります。

  デジタル化の推進では、自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画に掲げられた取組事項を効果的に進めるため、アドバイザリー業務を委託するほか、全庁的な方針の下、行政手続のオンライン化の推進に向けて、子育て・介護分野の手続を中心に、マイナンバーカードを利用したオンライン申請を可能にするための環境整備を行い、市民の利便性の向上と業務の効率化を図ってまいります。

  利用が拡大しているキャッシュレス決済につきましては、住民票、印鑑登録証明、税証明などの各種手数料について、クレジットカード、電子マネー及びQRコードでの決済を開始し、市民の利便性の向上と、非接触による新型コロナウイルス感染症対策を図ってまいります。

  税収納では、軽自動車の保有手続をインターネット上で行うワンストップサービス及び車検時の軽自動車税の納付確認を電子的に行う納税証明の電子化を5年1月から運用開始するほか、納税者が、自宅やオフィスから電子的に納税することができる地方税共通納税システムについて、5年度からの対象税目拡大に向けて準備を進め、納税者の利便性の向上に努めてまいります。

  ふるさと応援寄附金につきましては、ポータルサイトの充実や返礼品の更なる充実を図り、歳入の確保と、知多市の特産品のPRに努めてまいります。

  また、市制施行以来50年が経過したことを契機に、市政のあゆみや文化、歴史を取りまとめた記録資料を作成するための資料収集などに着手いたします。

 

  次に、福祉分野です。

  社会福祉では、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応するため、高齢、障がい、子ども、生活困窮分野の相談支援事業、参加支援事業、地域づくり事業を一体的に行う重層的支援体制整備事業を開始いたします。相談支援機関等の適切な役割分担による多機関協働支援や、支援が届いていない人へのアウトリーチ等による継続的支援、社会とのつながりをつくるための参加支援に取り組んでまいります。

  また、現在、知多地域成年後見センターで実施しております、認知症や知的・精神障がいなどにより判断能力が十分でない方の権利擁護、財産管理等を行う成年後見制度利用促進事業について、4月から相談事業などの機能を強化し、「知多地域権利擁護支援センター」として、成年後見のみならず幅広く権利擁護に対する相談・支援ができるようにいたします。

 生活困窮者対策では、社会福祉協議会と連携して、コロナ禍により増加している生活困窮者からの相談に対応するため、就労支援員を増員し、自立支援に努めてまいります。また、コロナ禍により収入が激減した方に対して、引き続き、住居確保給付金などにより支援してまいります。

  高齢者福祉では、高齢者の相談対応などを行う包括的支援事業について、重層的支援体制整備事業の一環として、障がいや子ども、生活困窮の分野との連携を進めるほか、昨年10月に開始いたしました就労的活動支援事業を継続して実施し、高齢者の社会参加の促進を図ってまいります。

  

  次に、子育て支援分野です。

  放課後児童クラブにつきましては、クラブの安定的かつ効率的な事業運営を図るため、2年度から、段階的に業務の一部を民間事業者に委託していますが、4年度は、旭南、旭東、新田、南粕谷の4クラブを委託化し、全てのクラブでの委託を実施いたします。

  児童虐待対策では、虐待等に対する相談支援体制を強化するため、「子ども家庭総合支援拠点」を市役所に設置し、支援が必要な家庭の早期発見、虐待の未然防止等に努めてまいります。

  青少年育成事業の拠点施設である青少年会館については、4年度から管理運営を指定管理者に委託し、業務の効率化と住民サービスの向上を図ってまいります。

  また、成人年齢の引き下げに伴い、従来の成人式を「二十歳のつどい」に名称を改めるとともに、企画・運営について実行委員会に委託し、内容の充実を図ってまいります。

  幼児教育・保育では、新たに民間事業者が開園する、東部地区の「マ・メール知多保育園」や朝倉駅に隣接する小規模保育事業所「知多朝倉駅ぽっぽ園」の運営を支援するほか、東部幼稚園を5年度から民間の幼保連携型認定こども園に移行するための準備を進めるなど、保育需要の拡大と多様なニーズに対応してまいります。

  また、老朽化した新舞子保育園の未満児棟を改修整備するほか、公立幼稚園・保育園のトイレの洋式化改修などにより、保育環境の充実を図ってまいります。

 

  次に、健康・文化分野です。

  健康推進では、高齢者の心身の多様な課題に対応し、きめ細かな支援を実施するため、高齢者の保健事業と介護予防事業を一体的に実施する後期高齢者保健指導事業を開始し、高齢者のフレイル予防、疾病予防に取り組んでまいります。

  また、子宮頸がんワクチンの定期接種について、11歳から15歳までを対象とした積極的勧奨を再開するほか、生まれつきの難聴を早期に発見して、速やかに治療や支援を行うことができるよう、新生児の聴覚検査費用に対する補助を開始いたします。

  新型コロナウイルスワクチン接種事業につきましては、引き続き追加接種及び小児への接種を保健センターでの集団接種、市内医療機関等での個別接種により実施し、感染拡大の防止と重症化の予防を図ってまいります。

  海浜プール跡地に建設いたします温水プール等の健康増進施設については、6年度の供用開始を目指し、西知多医療厚生組合を事業主体として建設を進めてまいります。

  福祉医療では、小中学生の通院・入院に加え、新たに高校生世代の入院費に対する助成を開始し、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ってまいります。

  生涯学習では、地域と学校が協働し、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支える地域学校協働本部事業を南粕谷地区で導入いたします。

  また、歴史民俗博物館で展示されている市指定文化財の打瀬船「藤井丸」について経年劣化による破損等が見られることから修理と保存処理を行います。

  生涯スポーツでは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2年度、3年度と開催を見送りました「ちた梅子マラソン」について、4年度は、11月20日の開催に向けて準備を進めてまいります。

  また、メディアス体育館ちたの長寿命化を図るため、武道棟の屋上防水改修工事を実施するほか、感染症対策としてトイレの洋式化・自動水栓化改修を実施するなど皆様が安全・快適に施設を利用できるよう努めてまいります。

  

  次に、環境経済分野です。

  環境では、「ゼロカーボンシティ」の実現に向けて、地域における太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入ポテンシャル調査を行うほか、太陽光発電施設、蓄電池、電気自動車等充給電設備などの住宅用地球温暖化対策設備の設置に対する補助制度を新設いたします。

  ごみ処理では、新たなごみ処理施設である西知多クリーンセンターについて、6年度の施設稼働を目指し、西知多医療厚生組合が事業主体となり、建設工事を進めてまいります。

  商工振興では、将来への一歩を踏み出す学生に、市内中小企業の魅力を発信し、知多市での就職意欲を高めるための企業セミナー「知多市DE(で)はたらく」を実施し、市内企業の認知度の向上を図ってまいります。

  また、市内中小企業者の商品パッケージデザインの制作費に対する補助制度を新設し、魅力的な商品パッケージの開発に取り組む中小企業者の販路拡大を支援いたします。

  さらに、年齢や性別等の壁を越えて、誰もがどこにいても参加することができる「eスポーツ」の体験、体感イベントを開催し、「eスポーツ」の社会的意義について多くの市民への普及・啓発を図るとともに、スポーツ、観光、高齢者福祉、健康といった様々な分野での活用の可能性を検証してまいります。

  産業振興では、造成中の知多大興寺(2期)地区及び新南地区において、県企業庁、土地区画整理組合とそれぞれ連携して操業支援や優良企業の誘致を進めるとともに、次期工業用地開発に向けた準備を進めてまいります。

  観光振興では、市内の魅力ある観光施設を周遊してもらい、消費活動を喚起することで市内の施設や飲食店を支援する電子スタンプラリー「ぐーちたスタンプラリー」を引き続き実施してまいります。

  農業振興では、本市の特産物である佐布里梅の生産維持・拡大を図るため、生産農家に対し、出荷量に応じた交付金により支援するほか、「知多ペコロス」の普及推進に向け、「日長ペコロス生産組合」の活動を支援してまいります。

  一方、農業インフラ整備については、県が実施する知多広域農道の舗装打換えや大草排水機場の設備更新工事に応分の負担をしてまいります。

 

  次に、都市整備分野です。

  都市計画では、立地適正化計画に基づく都市機能誘導区域内において、用途地域を見直すことで、市民の日常生活を支える身近な店舗などの立地を誘導し、歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりを目指してまいります。

  市街地整備では、住居系の整備を進める知多信濃川東部地区については6年度の事業完了に向けて、工業系の整備を進める知多新南地区については7年度の事業完了に向けて、両土地区画整理組合を支援してまいります。

  道路・橋りょうの新設改良として、道路では、「知多市舗装修繕計画」に基づき、大田朝倉線、東海知多線の舗装工事を、橋りょうでは北浜跨道橋の補修工事を実施いたします。また、県が実施する主要地方道知多東浦線及び西知多道路の整備に伴う、市道付替えのための用地取得を進めてまいります。

  通学路の交通安全対策としては、子どもたちが安心して通学できるよう新舞子駅西側において防護柵等設置工事を実施いたします。

  また、市民の防災意識の向上と被害の軽減を図るため、洪水ハザードマップを作成し、全戸配布いたします。

  緑化・公園整備では、土地区画整理事業に併せて新南地区に公園を整備するための設計を実施するほか、公園遊具等の長寿命化計画を策定するための調査を行います。また、昨年好評をいただいた佐布里池のカヌー体験イベントにつきましては、開催日数を4日間から8日間に増やし、より多くの方に楽しんでいただけるよう準備を進めてまいります。

  上水道では、地震に強い水道を目指して、丸根配水場からの基幹配水管耐震工事を継続するほか、基幹配水管から、地域防災計画において重要給水拠点に指定されている老人福祉施設までの配水管の耐震化工事を実施いたします。

  また、水道水を安定して供給するために、老朽化した配水管の布設替工事や配水場の施設更新工事を引き続き実施してまいります。

  下水道では、南部浄化センターの下水汚泥を県、東海市及び常滑市と共同処理する事業を衣浦西部浄化センターで開始し、処理費用の削減を図ります。また、雨水排水対策として大草地区の新舞子第4排水区において、排水施設の整備工事を進めてまいります。

   

  次に、消防分野です。

  消防では、災害現場の状況の早期確認と適切な災害対応に活用できる災害用ドローンを配備するほか、消防団員の処遇改善として、国から示された基準に基づき、出動報酬を創設します。

  救急では、老朽化した高規格救急自動車を更新するほか、救急救命士の養成などを進め、救急体制の充実を図ってまいります。

  

  次に、教育分野です。

  学校教育では、学校が抱える複雑化・多様化する課題を解決するために、新たにコミュニティ・スクールを導入し、学校、保護者、地域住民等による学校運営の連携を強化し、児童生徒の健全育成に取り組んでまいります。4年度に南粕谷小学校でスタートし、12年度までに市内全小中学校への導入を目指してまいります。

  また、特別な支援が必要な児童生徒の対応のために設置しております特別支援教育指導員、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーなどからなる専門家チームについて、案件の複雑化と件数の増加に対応できるよう、体制を強化してまいります。

  学校のICT化につきましては、電子黒板、タブレット端末、デジタル教材などを利用したICT教育の推進に引き続き取り組んでまいります。

  また、生徒の学習データを蓄積し、分析するソフトウェアを全中学校に導入するほか、タブレット端末やアプリを利用して、児童生徒及び保護者と教員との情報共有を図るコミュニケーションツールを導入し、よりきめ細かな指導・支援に努めてまいります。

  教育環境の整備では、小中学校の特別教室等への空調設備の整備に向けた基本設計を行います。

   

 私の政策の1丁目1番地である、朝倉駅周辺整備事業では、駅前ロータリーについて、利用者が雨に濡れずに移動できる屋根を一般車ロータリーに設置する工事や植栽工事などを行い、4年度中の供用開始に向けて工事を進めてまいります。

  また、延期しております事業者公募につきましては、新型コロナウイルス感染症収束後を見据え、着実に駅前のにぎわいづくりを進めるため、ホテル事業を他の事業から分離して、夏頃を目途に募集を開始してまいります。

  以上、4年度予算案の概要について、申し述べさせていただきました。

  

 昨年11月に公表されました令和2年国勢調査の結果によると、前回調査と比べて全国で人口が約95万人減少いたしました。15歳未満人口が約92万人の減となった一方、65歳以上人口は約224万人の増となり、人口減少、少子・高齢化の動きが加速しています。本市においても、総人口は0.3%、253人と微減であったものの、15歳未満人口は7.2%、854人の減、65歳以上人口は9.8%、2,106人の増となり、総人口に占める65歳以上の方の割合は28.0%と知多5市では最も高く、県内平均も上回る結果となりました。

  急速に進む少子高齢化への対応は、本市にとって大きな課題であります。

  生産年齢人口の減少に伴う市税の減少、超高齢化の進行に伴う社会保障費の急増に備えていかなければなりません。

  そのためにも、緊急財政改善プランを確実に実施し、財源の確保と財務体質の改善を図るとともに、子育てしやすいまちづくり、若い世代が住みたくなる魅力的なまちづくり、高齢者がいきいきと暮らせるまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

  また、長引くコロナ禍により、他者との接点が少なくなり、孤独感を感じる若者の自殺の増加や社会的孤立の状態にある高齢者の増加が社会問題となっています。コロナ禍によって、多くの人が、改めて人と人とのつながりの重要性を感じておられることと思います。コミュニティ活動や地域の助け合い活動が盛んに行われていることが本市の強みであります。これまで以上に地域の皆様が共に支え合い、そして我々行政も積極的に連携していくことが、このコロナ禍、そしてアフターコロナの時代に求められていることではないかと考えております。

  今年も梅の季節を迎え、咲き誇る梅の花は、我々市民だけでなく多くの観光客の心を癒してくれております。西郷隆盛の漢詩の一節に「耐雪梅花麗」(雪に耐えて梅花麗し)というものがあり、「梅の花は寒い冬を耐え忍ぶことで春に麗しく咲く」という意味であります。新型コロナウイルス感染症によって我慢を強いられている状況ですが、この苦しい時期を乗り越え、知多市の未来に美しい花を咲かせ、市民の皆様の笑顔があふれるまちになるよう、職員一丸となって取り組んでまいる所存であります。

  今後とも、議員各位はもとより、市民の皆様の一層のご理解と、ご協力を心からお願い申し上げ、新年度に向けての私の施政方針とさせていただきます。

 

 

 

 

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