更新日 2024年04月01日
趣旨
町内会や自治会などは、PTAなどと同じく法的には通常「権利能力なき社団」と位置付けられ、団体名義では不動産登記等ができませんでした。
しかし、自治会、町内会などでは不動産等の資産を保有している場合も多く、これらの自治会などでは会長名義などで不動産の登記等を行っていました。ところが、こうした個人名義の登記は、名義人が転居や死亡などにより町内会、自治会の構成員でなくなった場合に、名義の変更や相続などの問題が発生していました。
こうした問題に対処するために、平成3年に地方自治法が改正され、町内会や自治会が、一定の手続きの下に法人格を取得できる規定が盛り込まれ、団体名で不動産などを登記することができるようになりました。
「地縁による団体」とは
地縁による団体は、「町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」(法第260条の2第1項)と定義され、区域に住所を有することのみを構成員の資格としています。したがって、団体の区域に住所を有する人は誰でも構成員となることができます。
地縁による団体が法人格を得るための要件
法人格を取得する目的は、団体が「地域的な共同活動を円滑に行うため」(法第260条の2第1項)とされています。
地縁による団体が法人格を得るためには、市長の認可が必要です。
市長が認可するためには、次の4つの要件が備わっている必要があります。(法第260条の2第3項)
1 区域内の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行っていると認められること。
→認可を申請する地縁による団体が、特定の活動ではなく広く地域的な共同活動を行うことを目的とすることを規約に明記することが必要です。「現にその活動を行っていると認められる」ための証書は、総会に提出された前年度の実績報告書でよいとされています。
2 その区域が、住民にとって客観的に明らかなものとして定められていること。
→「区域は、当該地縁による団体が相当の期間にわたって存続している区域の現況によらなけらばならない」(法第260条の2第4項)とされています。つまり、その区域は、団体の構成員のみならず市内の他の住民にとっても容易にその区域が認識できるよう、客観的に明らかな形で境界が画されている必要があり、かつ安定的に存在していることが必要です。
3 その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となっていること。
→「すべての個人」とは、「年齢・性別等を問わず区域に住所を有する個人すべて」のことを言います。また、「相当数」の判断は、一般的には区域の住民の過半数が構成員となっている必要があります。
4 規約を定めていること。
→規約で定める事項は、法第260条の2第3項に掲げられているもののほか、同条第15項で準用する民法の規定を踏まえたものであることが必要です。
認可地縁団体制度の見直しについて(地方自治法の改正について)
1 表決権の行使の電子化(令和3年9月1日施行)
地方自治法の一部改正により、総会に出席しない構成員が、書面による表決に代えて、電磁的な方法(電子メールなど)により表決をすることができるようになりました。電磁的な方法での表決には、規約を改正するため総会での議決が必要となります。また、規約の改正には、市長の認可も必要となりますので、事前に市民協働課までご相談下さい。
2 許可を受けるための要件の見直し(令和3年11月26日施行)
これまで認可を受けるには、不動産等を所有しているか、または保有する予定があることが認可を受ける前提でしたが、地方自治法の一部改正により、不動産等の保有(予定も含む)の有無に関わらず、地域的な共同活動を円滑に行うために認可を受けることができるようになりました。
3 書面又は電磁的方法による決議の規定の創設(令和4年8月20日施行)
(1) 本来であれば総会において決議すべき事項について、総会を開催せずに書面又は電磁的な方法による決議を行うことについて構成員全員に確認し、全員の承諾が得られた場合には、総会を開催せずに決議事項についての賛否を問い、書面又は電磁的な方法により決議を行うことができるようになりました。なお、この場合には、通常どおりの決議要件が適用されます。
(注)書面又は電磁的な方法による決議を行うことについて反対が一人でもいれば、通常どおり総会を開催する必要があります。
(2) 本来であれば総会において決議すべき事項について、構成員全員の書面又は電磁的な方法による合意があり、当該決議事項について構成員全員の賛成の意思が確認できた場合には、当該合意をもって書面又は電磁的な方法による決議があったものとみなすことができるようになりました。
(注)その決議事項について全員が賛成でなければ可決することはできません。反対が一人でもいれば、通常どおり総会を開催する必要があります。
4 解散に伴う清算人による債権者に対する債権の申出の催告に関する公告の回数の見直し(令和4年8月20日施行)
認可地縁団体が解散したときの清算人による債権者に対する債権の申出の催告に関する公告について、その回数が3回以上から1回になりました。
5 認可地縁団体同士の合併の規定の創設(令和5年4月1日施行)
認可地縁団体は、総会の決議により同一市町村内の他の認可地縁団体と合併することができるようになります。
地縁による団体の認可手続きの流れ
地縁による団体が認可申請を行い、法人格を有するまでの大まかな流れは次のとおりです。
地縁団体認可申請の手引き
地縁団体の認可を受けたい町内会、自治会の方は、下記の「地縁団体認可申請の手引き」などをご一読の上、必ず事前に市民協働課へご相談ください。
地縁団体認可申請の手引き(P1~P8).pdf(629KB)
地縁団体認可申請の手引き(様式記載例P9~P16).pdf(212KB)
地縁団体認可申請の手引き(町内会規約例等P17~P25).pdf(255KB)
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