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知多市の逸話ストーリー#07 里山の自然を豊かに世代を超えて受け継ぐ思い「山法師の会」

2022年6月10日

四季折々の美しさを見せる大興寺の里山

初夏にはヤマボウシ、秋には紅葉、冬にはツバキ、そして秋から春にかけてはシキザクラ。大興寺地区にある「大興寺」というお寺の裏手の里山では、季節ごとにさまざまな草花が楽しめます。落田川沿いの散歩道をゆったりと歩けば、日々の疲れを忘れて心が癒されるような気持ちになれるでしょう。四季折々の花が咲くとあって、市内外からカメラを持った人が絶えず訪れるフォトスポットでもあるそうです。
今でこそ美しい景色が広がる大興寺の里山ですが、ほんの20年前までは竹がうっそうと茂る手つかずの場所だったとか。
この里山をよみがえらせたいという思いで活動を始めた「山法師の会」会長の橘鉄雄さんと副会長の石井都夫さんにお話を聞きました。

 大興寺の里山大興寺の里山



ヤマボウシ
ヤマボウシ
ツバキツバキ

10人のボランティアで始めた「山法師の会」

  
「昔、この辺りは農村で、この里山あたりは、唱歌の『故郷』や『朧月夜』に出てくるような、のどかな風景が広がっていました」と、橘さんは目を細めて景色を見渡しながら当時を振り返ります。
やがて時代が進むにつれ土地改良が進み、大興寺地区は、住宅地と水田とに区画が整理されていきました。そして最後に残ったのが、この大興寺の裏手にある里山でした。
大興寺の先代の和尚さんは「このままでは里山が竹やぶに覆われて、ダメになってしまう。きれいに整備してくれる人はいないだろうか」と、当時懇意にしていた、後に山法師の会の会長を務めることになる土井年長さんや、森田芳松さん(現在の橘会長は3代目)たちに相談を持ち掛けました。
土井さんたちはなんとかしなくてはと思い立ち、仲間を集め、はじめは10人で落田川沿いにヤマボウシを100本植樹しました。こうして、大興寺の里山を整備する「山法師の会」を発足。それは、今から20年前(2000年)のことでした。
 
里山を整備
整備された里山


シキザクラシキザクラ

里山らしさを残すために

「山法師の会」の皆さんが目指したのは、「四季折々の美しさが宿る里山」。そのために、不要な竹や雑木全てを刈り取ってきれいにするのではなく、あえて「里山らしさ」を残すことにこだわったそうです。「ある程度の竹は残すようにして、あまり人の手が加わらないような、ありのままの自然も必要だと思いました。昔使われていた「ため池」は、今も空池となっていくつか残っていますが、それも里山の景観の一部となっています」と橘さん。メンバーそれぞれが農機具を持ち寄り、時間を見つけては里山の整備に取り組みました。そして土地を整えたところから順に、ツバキやシキザクラ、ヒガンバナなどを植えていきました。
その地道な活動が実を結び、現在はシキザクラがなんと500本、ヤマボウシが100本、そして、100種ほどのツバキが400本、そして落田川沿いにはヒガンバナが群生するように植えられているというから驚きです。また、里山にはヤブツバキも数多く自生しているとのことです。橘さんたち「山法師の会」のメンバーは、今でも定期的に里山に入り、年間30~50本を植樹しているのだそうです。

 

 




里山を案内される記者
里山の山頂からの眺め里山の山頂からの眺め

幅広い世代が集う憩いの場に

橘さんたちが行ったのは、里山の整備だけではありません。伐採した竹で竹炭をつくったり、レンガを組んでまき窯をつくったり、ドングリや落ち葉、木の枝などで工作ができるような小屋も建てたのです。「ここでは高齢者が陶芸や竹細工をしたり、子どもたちが作品をつくったりと、いろいろな目的で使ってもらっています」と副会長の石井さん。申し込めば個人での使用もできるので、どんどん利用してほしいと話します。
このような幅広い世代での交流をもっと広めたいという思いで、平成23年からは「山法師の会」が主催する「四季ざくら祭り」も始まりました。子ども向けにミカンや落花生のつかみ取りをしたり、「山法師の会」が育てた野菜で作ったそば団子汁をふるまったり。里山の自然や川沿いのシキザクラを眺めながら、毎年秋の恒例行事として、子どもも大人も楽しいひとときを過ごしています。
 
活動拠点となっている小屋活動拠点となっている小屋 
会で作ったまき窯会で作ったまき窯



 

自然の脅威を目の当たりに

一方で、里山には自然の脅威を物語るような痕跡も残されています。大きな木が根こそぎ倒れていたり、シキザクラの木が痛々しく折れたりしているところは、台風の爪痕です。こうした台風の被害に見舞われることがまれにあり、そのたびに支柱を添えたり、安全な場所に木を移動させたりしなくてはならないため、体力も必要だと教えてくれました。特に印象的だったのは、知多市制施行45周年の時の「四季ざくら祭り」のことだそうです。
「例年通り、『四季ざくら祭り』の準備を前日に終えて帰宅したのですが、その日の夜中に台風が襲ってきたため、会場はもうめちゃくちゃで…。テントも倒れて、桜の木も根っこから抜けてしまっていました。みんな大急ぎで駆けつけて、力を合わせて木の片付けなどをしました。駆けつけてくれた皆のおかげで、なんとか祭りの開催時間に間に合わせることができたんです」

 
 四季ざくら祭り四季ざくら祭り



会長 橘鉄雄さん(右側) 副会長 石井都夫さん(写真中央)、会長 橘鉄雄さん(写真右側) 副会長 石井都夫さん(写真中央)

もっと里山を活用してほしい

橘さんと石井さんに、今後の展望をお尋ねしました。「だいぶ達成感はありますよ」と笑うおふたりですが、この里山の自然と「山法師の会」の思いをもっと若い世代にもつないでいきたいと話します。「例えば、野外活動。人が手を入れ続けることで、もっと安心して自然の中で子どもたちが遊べるようになったらいいですね。また、森では感性を養うことができるので、そんな『右脳をはぐくむ里』としても使ってもらえるようになってほしいです」との思いを伺うことができました。
20年前から比べると、見違えるほどの息吹を感じられるようになった大興寺の里山。「山法師の会」の方々だけでなく、一人ひとりが目を向けることで、豊かな里山を後世にも受け継いでいきたいですね。

お問い合わせ

秘書広報課
電話:0562-33-3151
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