更新日 2023年03月29日
地方の方言で「しとねる」という言葉があります。
「子どもをしとねる」というふうに使いますが、「人練り」と「人成り」からきています。人は人の中で練られることで、心も体も大きく成長するという意味と、人間同士のふれあい・かかわりあいの中で人に成るという意味が込められています。
このことは、昔の人達が地域の中で人を育てるという営みを大切にしてきた生活の知恵といえるでしょう。
昨今、子どもが育つ環境は大きく変化し、子どもが健全に育つ上で必要不可欠な、兄弟や地域の中で年齢を超えて友だちとかかわって遊ぶ機会が減少しています。子育てについても、世代間の子育て技術の伝承が断たれてしまい、身近でちょっとした手伝いやアドバイスをしてくれる人もおらず、はじめての子育てに戸惑っている若いおかあさんが多くみられるようになりました。
このような状況の中で児童センターには、赤ちゃんを連れたおかあさん、おとうさん、おじいちゃん、おばあちゃん、元気いっぱいの小・中学生、勉強の息抜きにやってくる高校生、またふれあいプラザ内にある中部公民館を利用して趣味や特技を生かして活躍しているおじさんやおばさんなどいろいろな人が集まってきます。ここには、地域の中でほとんどなくなってしまった世代を超えたさまざまな出会いがあります。
人が育つ上で必要な時間と場所が確保され、仲間との出会いが実現したら昔から地域にあった「人練りによる人成り」の機会となるのではないでしょうか。
児童センターを子どもにとっても大人にとっても、温かいふれあいやかかわりのもてる場所にしていきたいと考えています。
いつでも・どこでも市民との協働をめざして
(児童センター)は、(中部公民館)(男女共同参画センタ-)とともに(ふれあいプラザ)の中にあります。
知多市児童健全育成計画の中で児童センターは、子どもの健やかな成長を支援する場として、また、知多市における児童健全育成の拠点として位置づけられました。
知多市次世代育成支援行動計画(後期計画)においては、市民とともに築く子育て支援の環境づくりとして、自主的な活動や地域活動の育成を積極的に行っていくことを提唱しています。今後、子育てに関する市民のニーズにきめ細かく対応するためには、専門性の高いNPOや子育て支援に理解のある市民との協働が不可欠です。市民と行政がともに考え合って事業を展開していくことによって、今後、地域が生き生きとしていくことにつながっていくと考えています。
また、生涯学習や学校教育、市民活動(男女共同参画)など、他の機関や施設とも協働しながら、育児の支援だけでなく、真の男女共同参画をめざした根本的な子育て環境づくりを総合的・体系的に考えていきます。